眠むの木
おかいものかご カート

布団寝具のトレードオフ
・あちらを立てればこちらが立たず

ダブルフェース羽毛布団

布団寝具選びの検討中に必ずご記憶いただきたい事実

布団寝具のトレードオフ/あちらを立てればこちらが立たず

【A】羽毛布団の側生地の通気度

羽毛布団の一番重要な機能は、(1)保温力と言えます。それに匹敵する機能は(2)吸湿発散性です。

(2)の機能は、羽毛や羊毛の様な動物性繊維に見られる特性です。木綿わたの様な植物性繊維には、吸湿性はありますが、自ら取り込んだ湿気を逃がす放湿性機能は、動物性繊維と比較して劣ります。

(2)の機能を生かすには、適正な値の側生地の通気性が必要です。通気性を良くすると蒸れ感はなくなりますが、反面ダウンファイバーの吹き出しのリスクが高まるため、重要なのは通気性のバランスです。

(1)バティスト生地の 「トレードオフ」

一般的な60番手や80番手の綿生地の通気度は3.5〜4.5t/sとなりますが、100番手以上の品質の良い平織り生地/バティスト/は通気度が5〜7t/sと高い数値を示しダウンの放湿性機能を高めます。その反面、ダウンの劣化が生じた場合や、品質の良くないダウンを充填した場合には、ダウンから脱落したダウンファイバーの吹き出しリスクも高まる事をご記憶ください。

ちょっと余計な一言
バチスト生地の代表は大塚家具さんのダウナシリーズ ・・・・・://www.idc-otsuka.jp/dauna/
軽量のドイツ製・平織り生地にポーリッシュマザーグースダウンが充填された良い羽毛布団です。

軽くて通気度が高い生地と良質のマザーグースダウンの組み合わせで保温力と共に調湿機能も優れた羽毛布団です。ほぼ一年を通して快適にご使用いただけますが、反面お客様からご相談が多いのは、しばらくご使用になると生じる「ダウンファイバーの吹き出しとダウンの偏り」です。

一般的な羽毛布団の場合は、4月頃になれば暑くなるため肌布団や合用掛に衣替えします。主に冬場のご使用で他の季節はきっちり保管されておられる場合は10年経ってもあまり劣化が進んでいません。ただしダウナの場合は5月〜6月でもご使用、場合によってはエアコンを効かし真夏も使ってられる方もおられます。

夏場は寝汗の多い時期のためダウンにかなりの負荷が掛かります。寝返りや圧迫等でダウンファイバーは少しずつ脱落します。また寝汗に含まれる微量の塩分や皮脂分がダウンに絡みつき毛糸のセーターの毛玉のように玉状に変形して嵩が低くなっていきます。


羽毛の劣化/玉状化の動画をこちらのユーチューブにアップしましたのでご参照ください

年間の使用日数から言えば約2倍になる事が予想されます。劣化度合いとしては【A】ダウナを15年使った状態と【B】一般的な羽毛布団を20年使った状態を比較すれば、長年の経験上【A】の劣化が進んでいると言えます。

京都「眠むの木」は毎年全国から多くの皆様から羽毛布団のリフォームのご依頼をいただきます。世界中のメーカーさんの羽毛布団を蘇らせます。そんな中で「ダウナ」の平均劣化度は際立って進んでいます。 理由はある程度予想できますが…。快適性と耐久性もある意味「トレードオフ」 おすすめの羽毛布団はこちら

快適を求めると高額…?

昨今多くのお客様から「ダウナ」のリフォームのご依頼をいただきます。現実的な話ですが、新品時のダウナと同じレベルの快適さをお求めの場合は高額になる事は否めません。

京都「眠むの木」の安心安全のリフォーム料金についてお書きします。

各工程の明瞭な料金と作業内容をしたのページにまとめています。

【A】 https://www.e-nemunoki.com/umounohanasi.html

15前後ご使用のお手持ちのシングルサイズの羽毛布団1枚を同じシングルサイズの羽毛布団1枚に打ち直し・リフォームをする場合の料金は

【1】HPに記載している一般的な羽毛布団の場合/充填羽毛量1.3s前後(下記価格例は2021年の作業料金です/現行価格はこちらをご参照ください

(1)羽毛布団の解体取り出し・シングル @2,600円×1=2,600円

(2)取り出したダウンを除塵の後完全洗浄 @9,800円×1=9,800円

(3)60番手サテンSL150×210p @15,000円×1=15,000円

(4)吹き込み仕上げ・シングル @2,900円×1=2,900円

(5)補充ダウン・(4)ロイヤルグースD93% @4,300円を350g=15,050円

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【1】45,350円

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【2】大塚家具さんのダウナと「同じレベル」をお求めの場合/充填羽毛量1.04s前後

(1)羽毛布団の解体取り出し・シングル @2,600円×1=2,600円

(2)取り出したダウンを除塵の後完全洗浄 @9,800円×1=9,800円

(3)S383・バチストSL150×210p @46,800円×1=46,800円(一般的には15,000〜27,000円)

(4)吹き込み仕上げ・シングル @2,900円×1=2,900円

(5)ダウン補充(7)ポーランド産マザーグースD95% @9,900円(一般的には4〜5,000円)を350g=34,650円

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【2】96,750円

基本作業の(1)解体(2)洗浄(4)仕上げは全く同じ価格ですが、生地代金と補充ダウンの料金が倍以上の価格差があります。

羽毛布団の快適度と価格差は、生地とダウンの品質の差です。決してメーカーや産地ではありません。



(2)ゴアラミネート生地の「トレードオフ」

ダウンファイバーの吹き出しリスクが低い「ゴアラミネート加工」も同様に「トレードオフ」として、バチストと逆に蒸れ感や暖かさの「質」の相談も目立ちます。

通気度の検査数値では、問題がなさそうですが実験と実際には多少の相違点があると京都「眠むの木」では考えます。通気度の検査・実験は一定の圧力をかけて空気の通気度を検査をしますが、通常使用時は加圧しない状態でのご使用となるからです。


ゴアラミネート/一般的に推奨している 業者による丸洗いの結果、水圧でゴアラミネートが剥がれてダウンの吹き出しのご相談が多い事実。

【結論】やはり、何を優先順位の上にするかです。ダウンの吹き出しを少なくすれば空気の出入りにも問題が起こる…ある意味バチストの逆パターン

京都「眠むの木」の基本は、ダウンの機能を生かしたい事。となれば羽毛布団には若干の吹き出しリスクは覚悟してほしいと言うのが率直な思い…。




(3) キルティングミシン目からのダウンファイバーの吹き出し

羽毛布団やダウンジャケットから、細かなダウンファイバーや小さな三日月型のネックフェザーが飛び出す事があります。生地本体からの吹き出しもありますが、キルティングのミシン目の様な小さな穴からも「小さな三日月型のネックフェザーや脱落したダウンファイバー」が出てきます。

シームレス・ノンキルト羽毛製品の「トレードオフ」

羽毛布団業界では数十年前に「スミソニアンキルト」メーカーによっては「ステルスキルト」と称されるミシンで縫っていない構造の羽毛布団が販売され始めました。

ここで「トレードオフ」。実際にミシン目からの吹き出しは無くなりましたが、ミシン縫製のキルティングと比較して接着部分の耐久性が弱く、数年のご使用で固定部分が外れてダウンの移動偏りが生じてしまう事がしばしば見受けられる事になりました。特に適正な状態での「丸洗い」時に融着部が殆ど外れてしまった事例もあります。

★少し前に出回り始めたシームレス・ノンキルトダウンジャケットの「トレードオフ」

昨今話題になっているポコポコしたキルティングミシン目が無いシームレス・ノンキルトダウンジャケットのクリーニング時のトラブルと全く同じ状況です。羽毛布団の業界では、シームレス・ノンキルトの製品は今では、殆ど見られなくなりましたが、ダウンジャケットの動向が気になるところです。ダウンジャケット表面にミシン目が無く吹き出しのリスクは低くなったものの、ドライクリーニングに出したら壁が外れてブロックがどんどん大きくなって行く…。



(4)多層構造の暖かさと蒸れ感

寒い部屋でお休みの場合や、体質的に寒がりの方にとって「暖かい羽毛布団」と言うのは良いイメージがあります。暖かさをアピールした品で最近特殊構造の羽毛布団が多く市販されています。暖かい事は間違いありませんが…

多層構造の羽毛布団の「トレードオフ」

ダブルフェース羽毛布団

★羽毛布団の中に手を入れられるビックリ構造で中央部にナイロンの風船が入っている構造。

その様な羽毛布団の中には2層キルトで構造的に中心部分に通気性が殆ど無いナイロン布が使用されている品もあります(すべてがその様なモノではないとは思いますが 少なくとも私が羽毛布団のリフォームのために解体した多層式の羽毛布団の98%がそうでした。)

この様な羽毛布団は非常に暖かい?否 暑い…。真冬以外は、寝床内の湿気が抜けないため暑くて寝苦しい…一般的に「暖かい」と言う事は良い事ですが、寝床内の湿度調整機能が著しく劣るムレ感/暑さを感じる構造の製品となり、ダウン機能を生かしていないもので京都「眠むの木」では取り扱っておりません。


★何とも言えない妙な経験

お客様のイメージの『良い羽毛布団』とのズレがあった経験。下の「羽毛ランキングチャート」をご参照ください。市販されている最高級羽毛布団は適正な品質のA++のマザーグースダウンが充填されています。その左上の雲の上に「アイダーダックダウン」が位置します。

羽毛布団のランキング

アイダーダックダウンの中でもトップクラスの品質を誇る、アイスランド北西部フィヨルド地帯に生息するダウンを第三国を通さずに日本国内に輸入して仕上げているのがDT-7です。そのDT-7羽毛布団をお買い上げいただいたお客様からメールで「DT-7は本物のアイダーダウンですか?」とのメールが届きました。

驚いてその理由をお聞きしました。「今使っているアイダーダウン羽毛布団は、冬でも汗が出るほど暖かいのにDT-7は、今使っているアイダーダウンの様に暖かくない」とのお返事です。後日確認させていただいたところ「シルク生地の裏側にナイロン使いのネオアイダーの羽毛布団」。全くアイダーとは別物です。

京都「眠むの木」として言いたい事「汗が出るほど暖かい」と言うのはお布団としてNGです。ベストとしては「ほのかな暖かさで、決して寒くなく、朝までぐっすり眠れる」お布団が最高です。繰り返しですがアイダーダウンは汗ばむような暖かさとではなく快適な羽毛布団とご理解ください。



【B】敷布団

「トレードオフ/あちらを立てればこちらが立たず」という現象は、掛布団のみではなく、もちろん敷布団にも多くの事例が見られます。

(5)軽さと寝心地・耐久性の「トレードオフ」

敷布団について、お客様からのお問い合わせやご希望の中で一番多いのが「軽くて寝心地の良い敷布団は何ですか?」との内容です。もちろんそれに加えて「長持ちするもの」です。

結論としては、いろいろな素材を使用した敷布団が開発販売されているが、「軽くて扱いやすく寝心地が良く長持ちする敷布団」となれば、まず無いというのが京都「眠むの木」の率直な認識です。ご予算にゆとりがあり、かなり高額でも良いと言う場合でも、1枚でそのご希望の条件を満たす敷布団は無いです。

ただし、2枚敷(2枚を重ねて使用する)ならおすす出来る敷布団は、いろいろあります。その基本が「眠むの木」が推奨する「体を支えるベース層と、凹凸を包むパッド層」の組み合わせです。簡単ではありませんが、いろいろな組み合わせによって必ず適正な敷布団は見つかるはずです

敷布団の基本はこちらのページに詳しくお書きしていますのでご参照ください

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